■自然石造りの釜屋煙突 鹹水(濃い塩水)を煮詰めて製塩する釜屋の煙突で竈と煙突で連結していました。 煙突は、外部を石窯の石で270段ほど積み重ね、内部は自然石を加工したものを漆喰で固めて、頂上部まで積み上げた二重構造です。煙道の通り奥壁には、灰を出す口が設けてあります。
煙突の高さは12.45メートル、頂部の周囲は4.15メートル、内径は40から43センチの楕円形です。 この煙突と煙道は、昭和の初め頃まで越中屋の浜屋で使用していました。対岸の向島で合同製塩が始まるまでは、各塩戸に煙突が立っていました。 この二本の煙突は往時を面影をしのばせる貴重な遺跡です。 |
■釜屋 釜屋は、入浜式塩田でとれた鹹水(濃い塩水)を煮詰めて塩の結晶を得るところです。 三田尻の釜屋は普通、間口、奥行ともに五間(約9メートル)の方形の建物で、周囲は壁で切り窓が一、二ケ所設けられていました。屋根には中央と左右に「ほろ」と呼ぶ水蒸気の排出口がありました。 釜屋の中央には竈を築いて結晶釜を置き、煙道に温目釜を於いていました。釜ははじめ石釜を用いていましたがしだいに鉄釜になりました。そのほかに、ひょうたん(桶)、ろ過槽、居出場がありました。写真の建物などは、昭和初期の釜屋を復元したものです。 ■大壺 釜屋の隣の建物には大壺が置かれ、大壺は一定の濃度に高まった鹹水を貯蔵する装置です。 |