■立野渓谷 TATENO GORGE 阿蘇カルデラの西端に位置し、阿蘇カルデラ内の全河川がカルデラ外に流出する唯一の谷が立野渓谷です。 渓谷の長さは長陽大橋付近からJR立野駅南方附近までの約2キロ、深さは40から60メートルに及びます。カルデラ北部の阿蘇谷を流れる黒川(くろかわ)と南部を流れる南郷谷を流れる白川(しらかわ)は、長陽大橋直下で合流して白川となり、熊本市を経て有明海(島原湾)に注ぎます。 長陽大橋上流の黒川右岸に見られる垂直な壁をつくる岩石はおよそ6万年前に阿蘇カルデラ内の火山から流下してきた立野溶岩で、冷却によって生じた角材状の割れ目(柱状節理)がよく見えます。と立野渓谷の展望所の説明板に概略説明されています。
■長陽大橋下流左岸は国指定天然記念物「阿蘇北向谷(きたむきたに)原始林・北向山原生林 別の説明板では、世界最大級の阿蘇カルデラ内に降った雨水は、この立野火口瀬(たてのかこうせ)から流れ出ます。現在では黒川の数鹿流ケ滝ち白川の鮎返りの滝に分かれていますがが、昔は合流した一つの滝が外輪山ほ削って深い谷を作りました。 対岸の「阿蘇北向谷原始林」は、けわしい地形に守まれて現在に残された貴重な常緑広葉樹林(照葉樹林)です。 ウラジロガシやブツバキなどが繁茂する林内は昼でも薄暗く、数多くの動植物が自然のままに生活しています。このように人里近い場所で、原生な自然を間近に眺められる例はめずらしく、また、ここは草原化する前の阿蘇の姿を示す場所としても貴重です。と説明板に書かれています。 原始林の位置は、長陽大橋の左岸と左岸やや下流部、南阿蘇鉄道鉄橋左岸周辺部です。 |