■サビエル記念聖堂 (配布のパンフレットから) サビエル記念聖堂は、日本におけるイエズス会の福音を伝えた聖フランシスコ・ザビエルの功績を称え、1952年に、ここ山口の地に建てられました。以来、聖堂は、多くの人々に愛され親しまれてきましたが、1991年9月5日惜しくも焼失。その後、信徒や山口市民の皆様をはじめ、広く世界中の人々からのご支援により、1998年4月29日、現在の記念聖堂が完成しました。 聖堂は、ザビエルの足跡を今に伝えるとともに、福音の喜びを山口をはじめ各地へ告げ知らせています。
■井戸端で説教するフランシスコ・ザビエル サビエルは修道士ジョアン。フェルナンデスと毎日二回、山口の大殿小路という通りに出かけそのこあった井戸端で、集まって来る人々に向かい、要理の書を読んだり、説明したりして布教した。あらゆる階層の人々が集まって来たが、その数は大変なものであった。 宿舎に帰って来ると、仕事は倍加した。というのは、ある人は今聞いたことについて疑問をいだき、ある人は問答をしようと考え、またある人は面白半分にあるいは真理を知るために彼について来たからである。それにもかかわらず、わずかしか成果があがらないのを見てザビエルはこのことがいくらか心配になった。しかしまもなく主はまったく思いがけない時に彼の心を慰め給うた。すなわち、フェルナンデスがいつものようにある通りでたくさんの群衆に向かって説教をしていると、一人の無礼な男が通りおおり修道士を罵倒しはじめた。そして彼のそばに寄って顔に痰を吐きかけ、高笑いとあざけりの言葉を浴びせながら立ち去った。 フェルナンデスは動揺したり、怒ったりした様子を少しも見せず、またそのことに対して一言も言わないで、その痰をあたかも説教をして流れた汗ででもあるかのように手拭きでふき取った。そして始めた時と同じ平静さで説教をつづけた。聴衆の中で、身分のある一人の日本人がいた。彼は説教で聞くことを誹謗しようと思って来たが、修道士が挑発や罵言を少しも気にとめずに、自分の体面などまったく気にかけないことに驚嘆した。そして修道士が崇め説いている神こそまことの神であり、その神こそ信じ尊ぶべき神であること、また修道士の説き教えている宗教を信奉しなければならないことを理解したのである。 ジョアン・ドロリーゲス 日本協会史 より と書かれた説明板があります。
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