旧暦の9月13日は十三夜 中秋の名月と並んで 美しい月の日とされています
十三夜は のちの月 女名月 などとも言います 仲秋の名月はお芋を供えるので 芋名月 とも呼ばれますが 十三夜は お豆や栗を供えるので 豆名月 栗名月 などと呼ばれます 五穀の実りに感謝しながら 味覚に舌鼓をうつ そして 月のウサギさんにも感謝しなくてはいけませんね 徒然草に詠われた十三夜の名月 秋深まる風の中 ゆっくりと眺めてください 2013年の十三夜は 10月17日です 晴れるといいですね ■更科日記 源氏物語の桐壺の巻では桐壺の死を暗示するものとして月光が使われ 更科日記では 稚児の寝顔に月の光がさしこむのを恐れて袖で光をさえぎり なぜか 物語の月は 忌み嫌われてます
「月をじっと見つめると不幸になる」 ということが 「更級日記」 「竹取物語」 にあります その理由は 月があまり清浄なので じっと見ていると魂が抜かれてしまうと 思われていたようです
「竹取物語」のかぐや姫は 月から来たお姫様の物語 平安時代の初期に綴られた 日本最古の物語のひとつです 月は けがれのない国 月で罪を犯した 「かぐや姫」 が島流しのため 地球に送られたのかもしれません 「かぐや姫」の流刑の最終日 月の王様が自ら地球に迎えに来ます お月様の国は 不老不死の薬を持ち 宇宙旅行の手段をもっています 警護の人は なにもできず ただ 見ているばかり
物語は 月を理想郷として描き 花嫁候補として5人の俗物を描くことで 私たち人間社会の汚れを批判した 風性物語なのかもしれません
| ■お月様の素顔 月は地球から約38万4千kmの距離 満月から満月までの時間は 29日12時間44分です この期間を朔望月 (さくぼう) といいます
太陽は天球上を毎日約1度進みますが 月は約13度進みます この12度の差で 月は毎日 約50分ずつ遅れて東の空に昇ってきます また 月の対恒星自転周期が1恒星月に等しいことから月は常に同じ面を地球に向けています 満月の時も半月の時も ウサギさんの形が同じに見えるのはこのためです ただ 白道は黄道に対して約5度傾斜しているため ちょっとだけ月は上下左右に見える面が動きます この現象を月の光学秤動といいます このため 地球からは月の表面積の59パーセントを見ることができますが 41パーセントの部分は見えません
中秋の名月のまん丸なお月様は素敵です でも この日が満月にならないときもあります 旧暦は月の満ち欠けを基準に月を数えています 月は約29.4日の周期ですから 満月は14.7日目の瞬間 この瞬間が昼間のときや月の軌道の遠近によって見える月齢が違ってしまいます このため 旧暦の8月15日の夜に 実際の月齢が1〜2日ずれて まん丸のお月様とならない年があります
2013年の中秋の名月は 13.6日目のまん丸なお月様を見ることができます また 十三夜は ちょっと欠けた月齢12.1日目のお月様になります また 理科年鑑などによると 月は地球から1年間に約3.8センチずつ遠ざかっています 私たちの気づかない間に 月のお姫様との距離がひろがっています。
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