■ 出雲大社 「 さざれ石 」 君が代の歌碑とさざれ石があります 日本国の国歌 「君が代」 と 「さざれ石の巌となりて」 を考えてみました
「君が代」のもとは「古今和歌集」巻七「賀」の「わが君は千代に八千代に細(さざ)れ石のいはほとなりて苔(こけ)のむすまで」という歌です 貴人の長命を祝う「賀歌(がのうた)です 「わが君」 とは天皇を差すとは限りません
また さざれ石という言葉は その典拠として 仏殿に置いた石が大きな石になったという伝説が記された中国の伝奇小説集「酉陽雑狙(ゆうようざっそ)を挙げる例がありますが さざれ石が巌となるという言葉は 平安時代末期に生まれた天台本覚思想によって明確にされた「草木国土悉皆成仏」という思想にもとづいています それによれば 石もまた生命をもっていて 動物や植物のように成長するということです
明治2年(1869年) イギリスの軍楽隊長フェントンが儀礼用の日本国歌があるかと問うたのに対し 鹿児島薩摩藩砲兵隊長の大山巌が薩摩琵琶(さつまびわ)歌の中にある「蓬莱山(ほうらいさん)」の中にある「君が代」を提案し フェントンに作曲を依頼しました その後 昭和12年(1937年)に国定教科書に「君が代」が国歌として記載されています
戦時中は 「君が代」は現御神(あらみかみ)としての天皇を礼賛する歌であり さざれ石が巌(いわお)となるという歌詞の文言は 小さな日本が次々と植民地を獲得し 大となるイメージと重なります しかし 戦後 新憲法が制定されるとき 「君が代」の「君」は 戦後の日本国の主権者である国民統合の象徴である天皇をさすものという政府見解が示され 平成11年(1999年)に 国旗及び国歌に関する法律により「君が代」は正式に国歌になりました
日本国の天皇が政治的に実権を握ったのはごく短期間であり 大宝律令においてもすでに象徴的存在です 日本は天皇を平和の象徴としていただき これからも平和な生活を送ることができるのです
末永く平和でありたい これが 「君が代」 の意味であると思います
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