「雪舟」も描いた、「垂直わかれ十三条をなす」と表された滝

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2015' SEP 21 Message

沈堕の滝は、大野川本流にある「雄滝」(おだき)と大野川の支流である平井川にある「雌滝」(めだき)の2つの滝によって構成されています。雄滝は幅97m、高さ17m、雌滝は幅4m、高さ18mあり、この本州と支流のぶつかりが瀧を生んだと言われています。
沈堕の滝は発電所の取水によって風景が損なわれましたが、平成8年に景観修復工事の完了によって往時の姿に戻ったといいます。 * ♪


+ + 十三条の流れをもつ名瀑 + +

■十三条の流れを持つ名瀑 沈堕の滝(ちんだのたき)
沈堕の滝は、大野川本流にある「雄滝」(おだき)と大野川の支流である平井川にある「雌滝」(めだき)の2つの滝によって構成されています。雄滝は幅97m、高さ17m、雌滝は幅4m、高さ18mあり、この本州と支流のぶつかりが瀧を生んだと言われています。
■雪舟の水墨画
今から600年ほど前に活躍した「雪舟」により水墨画とて描かれ、江戸時代の地誌「豊後国試」にも記載されています。「垂直わかれ十三条をなす」と表された滝の流れは、人の手が入ることで実に数奇な運命をたどり現在に至っています。
沈堕の滝を形成している岩石は、阿蘇山の9万年前の大噴火による火砕流によってもたらされたものです。阿蘇溶結疑灰石と呼ばれる火砕流が冷えて固まった岩であることから、垂直方向に無数のひび割れが入っており、このように景観を生み出すことになりました。縦方向に岩が崩れていることで垂直の崖を形成しました。これは、豊後お降りジオパークにおける特徴的な景観の一つとなっています。


+ + 「雌滝」 (めだき) + +

■「雌滝」(めだき)
熊本と大分を結ぶ国道から沈堕の滝に至る県道26号線を進むと大野川に架かる大野橋を渡ると雄滝を雄滝の全貌と雌滝の側面を見る駐車場です。20台程度が駐車できるスペースで、訪ねる時期の水の量によもよりますが豪快な滝を艦爆できると思います。滝の艦爆台と発電施設の遺構跡の見学は、その先を左折する駐車台数10台程度の駐車場が便利です。訪ねたのは9月21日、彼岸花が風に揺れる秋風が吹く晩夏の蝉しぐれの午後です。
■大野川通船と魚道跡
江戸時代の終わりから明治時代、大野川の下流から上流に人や荷物を運ぶ通船があったといい、沈堕の滝の手前で人や荷物を積み替え、滝の上流部で再び通船に乗せていたといいます。
同じように、回遊魚の鮎(アユ)も滝を登れませんでしたが、沈堕の滝の上流まで回遊魚させる目的で、大正2年に滝の上下を魚道、魚架を設置して、沈堕の滝の上流までアユをさかのぼらせることに成功したといいます。


+ + 沈堕発電所跡 + +

■沈堕発電所跡
沈堕の滝では、滝の落差を利用して、発電が行われていました。明治42年(1909)、滝の上に堰を作り、下流に発電所を設置しました。電気は大分、別府間の路面電車に送電され、日本の近代化に役立てられたといいます。その後、水量を更に増やすため堰の高さを上げ、安定的な水量確保による発電の安定増量が図られましたが、一方で、水流により滝が崩落することを防ぐため落水を止め、滝の景観が損なわれたといいます。その後、雪舟の名画同様の景観復元の願いが結び、景観修復工事が進み、平成8年に現在のような姿に修景されています。
■発電所主要機器の遺構群
ちんだの滝ふれあい公園の駐車場の脇には、沈堕発電所で実際に使われていた発電機回転子、水車ガイドベーン、水車ランナーなどが展示されています。沈堕発電所は、最大出力900キロワット、およそ一般家庭で400軒分の電力をまかなうことのできた発電所です。

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