■熊本県指定天然記念物 「将軍木」 根廻り約10m、幹囲約8m、枝張りは東西に24mに達する椋(むく)の巨木。樹高は16mとさほど大きくないが、樹齢は600年以上と推定される。そのため、北側は幹が腐朽して大空洞をなしている。また、主幹部分には裂けるのを防ぐために2個の鉄環を巻き、南方に繁る枝は鉄の支柱で補強してある。 この木は、南北朝時代、征西将軍宮懐良(かねなが)親王が、当時勢力のあった菊池氏を頼りこの地に征西府を置かれたとき、宮の枝から芽をふいたとも、御手植の木とも伝えられる。将軍木の名も、この懐良親王にちなんでつけられたものである。 今でも、菊池神社の御神木として地域の人々に親しまれており、10月13日の秋祭りのときには、隣接する能舞台において、この木を将軍宮の象徴に見立てて、国選択無形文化財「松囃子能」が奉納されている。 平成10年12月 国重要無形民俗文化財に指定 熊本県指定天然記念物 昭和38年7月23日 指定 熊本県教育委員会 昭和63年3月建 の説明板があります。 ■菊池松囃子能場 また、奉納される能舞台の説明板は、能舞台を次のように説明しています。この能舞台は寛政8年(1796)に再建されたもので、元文3年(1736)まで定舞台であったが、焼失したために、毎年仮舞台を建てて松囃子能が催されていきた。 しかし、昔の定舞台を建設するにあたり、当時の藩政の諸事節約の方針に従い、縮小された舞台となっている。 この御松囃子御能は天下泰平を祈願したもので、南北朝時代十五代菊池武光が、征西将軍懐良親王(かねなが)を隈府に迎え、年頭の祝儀として正月二日に菊池本城で催したのが始まりとされ、今日まで六百数十年も継承れている神事能である。 現在は、菊池神社秋季大祭の初日である十月十三日に奉納神事として、この前にある将軍木を親王に見立てて行われており、素朴なその形式は能楽以前、即ち猿楽が神事能に移行した当時の形態を保っているとして、国選択無形民俗文化財に指定されている。と説明されています。 場所は、熊本県立菊池高校の校門の北側に隣接した地です。将軍木の周辺には歴史的建造物など多くの古い建物が現存保存されています。
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