■ 史跡 千林尼石畳道 千林尼は文化6年 (1809) 、現代の西岐波の大沢に生まれ、のち縁あって仏門に入り、明治2年5月、60歳で他界されるまで、一生を托鉢して浄財を集め、社会公益事業に献身された。 この道は、江戸時代には宇部と楠町を結ぶ主要な道であったが、山間の細道で難所が多かったので、敷石を舗装をして、通行する人や馬の難儀を救おうと、千林尼が悲願をこめて改修された遺跡である。 千林尼は、宇土市、楠町、山陽町と近郷の各地で、数多くの土木公益事業をなされたが、この石畳道は、尼僧の偉業をとのぶ、現存する唯一の貴重な史跡である。 また、この道は、郷土の先人たちの素朴な風習をしのびつつ、林の中を行く、歴史と自然のハイキングコースでもあります。 平成元年5月21日 厚東郷土史研究会と書かれた説明板があります。 訪ねた日は夏草が覆い茂るであろうお盆後の頃、第1石畳から第4石畳の先の道祖神まで登ってみました。たぶん石畳の道は夏草で難儀すると思ったのですが、道沿いは除草されていて快適に登ることができ、地域の皆様の石畳に対する変わらぬ思いを感じることができました。 上の説明看板の地図で、お駒つつみと書かれた灰色の道は舗装道の林道です。この溜池まで林道が延び、Uターンもできます。写真のような静かなため池を見ることができます。ゆっくりと散策できます。 道祖神の説明板には、道祖神は、別名さいのかみとも呼ばれ、道路の悪魔を防いで、道ゆく人を災難から守る神である。昔ここを通る人は、この神に供物をしたが、供物がない時には、道端の小石でも供え、わびしい山ロ路で出会う道祖神に、親しみをおぼえたことだろう。 このような素朴な神も、開発で姿を消していったが、この道祖神は宇部市でも、まれに見る大きなもので、かつ貴重な民族資料である。と書かれた説明板があります。
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