■ 西の庭から南の庭に至る描写 その主な区分は、南に面して、地面の前方ほ占めている。そして西に伸びて庭の北の区分の境に至り、その境とは妙な隔ての壁で半ば分たれて居る。そこには苔の厚く蒸した大きな岩があり、水を容れて置く妙な恰好の石鉢があり、年月の為め緑になった石灯籠があり、また、城の屋根の尖った角に見るような その鼻を地に着け、その尾ほ空に立てた、理想化した海豚の、大きな石の魚の、シャチホコが一つある。古木がそれに植わっている。川土手のような、緑の長い傾斜地があり、小島のような緑の饅頭山がある。 青々とした欺ういう高みは総て皆、その表面が絹の如く滑らかな、そして川の紆余屈折をまねている。淡黄色な砂の地面から高まって居る。・・・・が、その砂地は、まさしく小川を横に渡る踏石のように、次から次とやや不規則な距離に置いてある。荒く削ったままの平たい幾列かの石を伝って、種々な方向に横切ることができる。全体の感銘は、ある眠くなるようなもの寂しい気持の好い処にある。ある静かな流れの岸の感銘である。と書かれた説明板があります。
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