■長門峡 長門峡は「21世紀に残したい日本の自然100選」にも選ばれた美しい渓谷。石英斑岩が川の水に侵食されてできたもので、屏風のような切り立った崖が両岸すら迫り、深い淵が顔をのぞかせる。また、岸壁には甌穴と呼ばれる水にうがたれた穴が無数にあき独特の景観を造りだしている。 下流の竜宮淵から詩人中原中也の「冬の長門峡」の詩碑まで約5.3キロの遊歩道が設けられており、そそり立つ断崖や奇岩を眺めながら、四季折々の自然が満喫できるハイキングコースとして楽しめる。片道約1時間40分の道まり。まばゆいほどの新緑や錦の美を見せる紅葉期の美しいさは格別です。 ■高島北海と長門峡 北海は嘉永3年、藩医高島良台の次男として、江向八丁に生まれました。明倫館に学び、維新後生野鉱山学校で、F・コアニエにフランス語、植物学、地質学等を学び、その後農商務省に入り、明治17年にヨーロッパへ派遣され、引き続きフランスのナンシー高等森林学校に留学、同21年に帰国しました。その間アール・ヌーヴォー・ナンシー派のエミール・ガレらに請われて日本画を描き、和風の繊細な美術様式を紹介しました。 53歳の時に画業への専念を決意、それ以降は日本画壇において指導的役割を果たしました。また友人らと共に長門峡を踏査して渓谷美を嘆賞し、「長門峡」という名称は、この時北海によって命名されました。その後長門峡開発のため、県内で画会を組織し、長門峡の真意を描き販売し、これによって得た17,600余円をそっくり建設費に充て、総延長約10キロ、幅約1メートルの探勝道路が整備されました。とパンフレットに書かれています。 |