■熊野座神社の神楽 熊野座神社の秋の例祭が毎年10月9日に行われ、立神地区の人たちにより神楽が奉納されている。この祭りを進めていくのは宮座といい、集落を七班に分けて順に1年交代で担当する。 まず、8日にゴヤづとめから始まる。夕刻に、受前の宮座の家に組が集まり、神職と神楽方が「出立」の儀をおこなう。本膳をすえて、お神酒の披露があり、楽人は烏帽子をかぶり白装束に着替え、神楽の舞い手は、8〜9歳の子ども1名を選び「神子」 (かみのこ) とする。神子には、烏帽子をかぶせ赤色の狩衣を着せて、鈴と扇子を持たせる。 その座で神楽一座舞い終わって、神社までの道を、太鼓を打ち鳴らしながら、宮座・組の者一同お伴をして宮に参る。これを「道行き」という。 前夜祭として奉納するものを半神楽(はんかぐら)とし六座奉納する。楽人による笛・太鼓を銅鑼(ジャクワリン)の奏楽に合わせて、神子は、神前に向かって座し一礼、右手に鈴、左手に扇手を持ち、右手で左手首を打ちつつ「左に三回廻り」次に「右に三回廻り」さらに「左に三回廻り」神前に向かって座し一礼する。これを三回繰り返し一座とする。 本祭りは、9日の午前中に祭礼の儀式を終わり、幣殿(へいでん)で神楽を十二座行う。これを本神楽(ほんかぐら)という。この神楽が奏でられる間に、住民は初穂米(オヒネリ)を持って神前に供える。神事が終わると、神前にそなえられた御供飯(ゴクサン)を立神の各戸毎に仕入れが配る。無病息災のいわれである。そして、祭りが終われば、宮座の組中の者が集まり直会(なおらい)が行われる。 半神楽、本神楽がいつ頃から始まったか不明である。昔は、楽舎・御供屋があって炊飯していたという。御供屋の跡は、今もなお残っている。 と氷川町教育委員会、氷川町文化財保護委員会、まちづくり立神支店と記された説明板があります。
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