明治45年 (1916) 6月1日に開業し、平成2年 (1990) 3月31日、大社線の路線廃止


大社線の廃止跡 旧大社駅


■旧大社駅概要
この建物は、旧大社駅 (所在地 島根県簸川郡大社町) であります。
明治45年 (1916) 6月1日に開業し、平成2年 (1990) 3月31日、大社線の路線廃止により、営業を閉じるまで、実に78星霜、明治・大正・昭和、そして平成へと、一日も休むことなくは走り続け、地域とともに発展しました。
そして縁結びの神として知られる大国主命を祀る出雲大社の表玄関駅として親しまれ、お召列車の送迎。急行列車 (大社−大阪・大社−名古屋) 急行いづも号 (大社−東京) ・急行だいせん号 (大社−京都) の直通運転をはじめ、戦後の最盛期には、年間の団体臨時列車は280本もの多きを数えました。
また一日平均乗降人員4000人 (昭47) ・発着貨物180トン (昭36) にものぼり、鉄道輸送の粋を究めましたが、近時目まぐるしい社会構造の変化の陰に、利用度の激減を敢えなくし、数々のあしあとと郷愁を残しながら惜しくも歴史を閉じました。
■宮殿風造りの、この旧・駅舎
大正13年 (1924) 2月13日に改築されたものです。駅長室には貴賓室を備え、待合室を二等と三等に区別するなど、また天井の高さ、シャンデリア等のゆかしさに往時を偲ぶことが出来ますが、一歩戸外の風に立ったとき、波打つ大屋根・返りの整飾美に度肝を抜かれるのです。
かつて出雲大社大祭礼の勅使参向の玄関駅として、その格式と風格をとどめ、全国に数多い駅舎の中でも比類稀なる建造美を秘めています。
この・旧駅舎にたたずむとき、歴史を閉じた今も、なぜか、動的な感をうたれるのです。
平成2年7月記、日本鉄道ОB会 大社町 と書かれた説明板があります。



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