筑後川下流と有明海にだけいる魚で、カタクチ鰯科に属しその風味は淡泊で魚の肴などに珍重されています。
筑後川の悠久な流れに「よしきり」がなきそめ初夏の訪れとともに「えつ」の故郷
■えつ伝承碑
九州第一の大河、筑後川の悠久な流れに「よしきり」がなきそめ初夏の訪れとともに「えつ」は故郷のこの地へ産卵のため群れをなしてさかのぼってまる。「えつ」は我が国では筑後川下流と有明海にだけいる魚で、カタクチ鰯科に属しその風味は淡泊で魚の肴などに珍重されている。この「えつ」には今なお語り継がれている伝説がある。
遠い昔、一人の行脚僧がここから筑後川を渡ろうとして船賃もなく困っていた。それを見かねた若い船頭が小舟をこいで対岸まで渡してやったところ僧は、その礼として
「もし暮らしにお困りの時はこの魚をおとり下さい。」と言って蘆の葉を取って川の中に投げ入れた。するとその蘆の葉は忽に一匹の魚になって夕陽に銀鱗をかがやかして水底深く消えた。
その後この魚は次第に殖え、若者の船頭はこれを捕まえて平和な一生を終えた。この魚が今日の「えつ」で行脚僧は弘法大師であったという。と碑に記載されています。
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