■四国霊場 第78番札所 郷照寺 釣り鐘と龍神さま 「良く鳴るようになったつりがね」 江戸時代、この郷照寺の釣り鐘が割れて鳴らなくなり和尚さんは大変困りました。ちょうどその折大阪・堺からお遍路に来ていた腕の良い鋳物師に直してしてもらうことになりました。その時、鐘を鋳なおす材料にと、山に蓄えていたたくさんの銅鏡を「とみくま村」の庄屋さんと運んでくれたお爺さんがいたのですが、いつの間にか姿が見当たらなくなり、お礼を言おうとみんなで探しましたが、消えていなくなっていました。その鏡のあったところは、川津の山だったことから、お爺さんは春日の明神さまだろうとみんなで噂しあいました。 鏡を入れて作り直した鐘はとても良い音で鳴り、遠く対岸の本州まで聞こえ、その音色に誘われて龍神が現れたそうです。 太平洋戦争のとき、日本国内の金属は飛行機や爆弾を作るために集められましたが、この郷照寺の釣り鐘は歴史的な価値があるということで免れ、今日まで宇多津の町を平和の鐘として守ってきました。 |