■四国霊場八十八カ所 第四十二番 佛木寺仏木寺は真言宗御室派に属し、御本尊は密教の根本主尊である大日如来である。尊円親王筆「仏木寺記録」によれば、平城天皇の御代大同2年 (807年) 、弘法大師が四国を御巡コウ中にこの地で牛を引く老功翁に出会った。誘われるままに牛の背に乗って歩くと、楠の梢に一つの玉珠が引っ掛かって、光を放っているのを見つけた。よく見ると、大師が唐の国から帰朝する際に、有縁の地が選ばれると様にと、三鈷杵とともに東方に向かって投げた宝珠であった。大師はまさにこの地こそ霊地であると感得と、堂宇の建立を決心し、自らひの楠で大日如来を刻み、眉間に一カブの宝珠を埋め、これを本尊として安置し、「一カブ山佛木寺」名付けたのが起こりであめと伝えられている。