■吉無田水源 吉無田の森は、江戸時代は肥後細川藩の藩有林、現在の国有林である。 その昔から、この地の下方は丘陵地帯であり、飲用水や農耕用水等の不足に苦労した土地柄であります。その為四百年近い昔の寛永から天保年間にかけて長さ20Kmにわたり元禄井手が作られました。しかし、もともとが乏しい渓流をかき集めた用水であり、上流の山々が草原である為、水源の八勢川そのものに水がなく水需要の増えつつある中で人々は水不足に苦しんでいました。 そこで、文化12年(1815年)に当時の山支配役が郡奉行と相談して一大植林の事業ほおこし、弘化4年(1847年)にかけて240万本の木が植えられ、ついで慶応3年(1867年)までに植林がつづけられました。 こうして半世紀のちに、植え付けられた杉や檜がうっそうと林立し、水をたくわえ、それが八勢川にあふれ出し、元禄用水をうるおしたばかりでなく、更に新しい用水を作らせるようになった。それが嘉永6年(1853年)から安政5年(1858年)にかけて作られた長さ28Kmにわたる嘉永井手である。 こうした壮大な事業により現在の国有林が作りあげられ、下流域の人々の生活和ささえています。その事業に携わった人々の業績は、今の国有林内や下流域の数か所に記念碑等によりたたえられています。私たちも、こうした歴史の中に抱かれて生活しています。 皆で森林や水を大切にしていきましょう。 九州森林局 熊本森林管理署 と吉無田水源脇の説明板に書かれいます。 |