■数寄屋丸二階御広間 数寄屋丸二階広間は、西に五階櫓門を配し、梁間七間 (約13メートル) 、桁行18間 (約33メートル) の建物で、南面の壁には銃眼や石落としもついていますが、内部一階は土間、二階には書院造りの座敷があり、全国の城郭建築の中でも非常に珍しいものです。 数寄屋丸とは、秀吉築城大阪城の「山里丸」の流れをひくもので、熊本城における文化的遊興の空間であったと思われます。茶会・能・連歌の会などが催され、二階御広間もそのような用途に使われていたと考えられています。 二間半四方で十二畳半の部屋が主室となっていて、床の間に二間半の押板だけというシンプルな構造で、復元に際しては書院造りの建物・城内の櫓・絵図等の資料を参考にしたといいます。 建築の際は残っていた礎石をそのまま使用し、柱等の主要材は九州山地から伐り出した栂を、梁には松、土台には栗を使用しています。 ■上座の間 写真は上座の間です。2間半四方12畳半の広さがあり、二階御広間の主室で格式の高いところです。床の間の2間半の押板で、壁は張付(和紙を張った壁)となっています。軸部は、内法長押・蟻壁長押で固め、天井は猿頬面をもつ竿縁、建具は襖、腰障子、筬欄間で構成されています。 張付壁、襖、腰障子には障壁画が描かれていたことでしょう。と説明されています。
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