■ヤマアジサイ ヤマアジサイの魅力 可憐な姿が魅力的なヤマアジサイの見所は多種多様な色や形であり、日本の自然の詫び寂びが感じられます。小さく栽培できることから盆栽風に作られ、山野草愛好家にも人気が広がっています。 分類と花の形態 ヤマアジサイはユキノシタ科 (アジサイ科) 、アジサイ属に分類されます。アジサイ属は落葉低木で、初夏に開花します。花序の中心部に小さな普通花 (両性花とも呼ばれる) が集まり、その周囲を装飾花が取り囲みます。 分布 本州 (宮城県以南の主として太平洋側、北陸以西の日本海側) ・四国・九州と朝鮮半島南部に広く分布しています。鈴鹿山脈 (琵琶湖南東部から三重県にかけて) の尾根を境に装飾花が白色の東日本型と、青または紅紫色の西日本型に分かれています。寒冷地や豪雪地帯を除く山岳地帯にみられ、海岸近くの山地から標高1000m以上の高地に自生し、沢筋の斜面など、地下水がしみ出すゆうな山間の谷間や林床に生えることから、別名サワアジサイとも呼ばれています。 園芸品種の発見と育種 広範囲に分布するヤマアジサイは、それぞれの地方の特色があり園芸品種が数多く見出されています。石鎚山から剣山にかけて四国山地からは、四国地方の名前 (阿波の〜、石鎚の光、伊予の〜、土佐の〜等) を冠した多くの園芸品種が広く愛好されています。 現在、観賞用として販売されているアジサイ属の園芸品種は、江戸末期にヨーロッパに持ち出されたヤマアジサイ、エゾアジサイ、ガクアジサイ、ヒメアジサイに起源し、大きく鮮やかで濃い色の花へと育種され、戦後の生活の欧米化に伴い普及しました。 これらは西洋アジサイやハイドランパアという名前で親しまれていますが、育種に用いられた種は、ヤマアジサイを除いて日本固有種であることはあまり知られていません。 色の変化 日本に分布するヤマアジサイ、エゾアジサイ、ガクアジサイ、ヒメアジサイは装飾花に青い色素 (アントシアニン) を発色する個体があり、それらの特徴が園芸品種の多様な色に反映されています。また、生育地の土壌の酸性度によって色が変わり、酸性が強くなると青色になり、アルカリ性が強くなると赤〜紫色に変化します。 日本特有の美しいヤマアジサイき園くれるに数多く植栽されています。湿度の高い梅雨時には清涼感を与えてくれる花々をお楽しみください。と書かれた説明板があります。
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