善財童子すこやすなからだまことを求めるいちずさ立ち止まらない勇気まなこを聞けばこの世は教えにみちているなにひとつむだなものも無価値なものもない善財童子は華厳経に登場する求道の志篤い少年で、文殊菩薩の指南により五十三人の善知識を訪ねて教えを乞い、ついには悟りの世界に至ります。童子か訪ねた善知識は仏・菩薩天王天人のみならず、医師や船長、童子と同じ年頃のこどもたちはては遊女まで登場します。無心になって道を求めるとき、目に触れるもの耳に聞くところすべてが教えを説く、いわば、自分以外のすべてもが皆わが師であるという世界が開けてくることを童子の求法の物語は教えてくれます。ちなみに、童子が歴訪した善知識の数がのちにわが国では「東海道五十次」の宿場数のもとになったともいわれます。竹林寺では平成26年、ご本尊文殊菩薩さまのご開帳を記念し、未来を担うこどもたちが心身ともに健やかに、善財童子のごとく成長してほしいとの願いほこめてこの像を造顕しました。と書かれた説明板があります。