■八畳岩 柴巻と坂本龍馬 柴巻のかなり広い範囲の山林を坂本龍馬の先祖が、かつて所有していたので「坂本山」と呼んでいた。やまの入口に「かがり石」という垂直に立った大岩があり、そりが地名になっている。この山中で親友の田中良助と一緒になってたびたび兎狩りしていたという話が伝えられている。 柴巻の田中家の背後に高くそびえ立つ奇岩があり、頂上が少し広くなっているので「八畳岩」と呼ばれている。田中家へ遊びに来た龍馬は、この岩の上にのぼり、良助さんと一緒になって酒などを飲み、よく遠くを見ていたそうである。ここは遠望のきく場所で、ここからは高知城を中心した市街地、それに、浦戸湾、五台山、そのむこうに海まで見通せすことができる。龍馬は八畳岩から小さく見える高知城と自然の雄大さを比較しながら、「高知城は小さい。そのむこうにある大きな世界を見てみたい」と大声で叫んだかも知れない。自然児龍馬を育てた環境にみどり豊かな北山の山々のあったことも忘れてはならないであろう。なお、八畳岩には樹齢何百年もの松の大木があったが、最近、それが松食虫のために枯れてしまい、ひの枯木がわずかに残っているのみである。 八畳岩から正面に「白米城」の異名をもつ鴻の森城を望むことができ、しかも八畳岩の北側には城への水源の谷川があって、城の攻防に重要なポイントになった鴻の森城の隠し水の伝承の場所である。柴巻の鏡村や土佐山村への道筋にもあたるので、あちこちに清水の流れ出る場所では、往来した人々がそこで休み、水を飲んでいた。なかでも道沿いにある「泉元の水」は、水量も豊かで、休憩場に利用されていたといわれている。坂本龍馬も、この道筋をよく利用していたので、この水を好んで飲用していたにちがいない。と書かれた説明板があります。
|