■南北分水工に設置されている説明板の説明文
■1 道前道後平野農業水利事業の概要 道前道後平野は、瀬戸内海に面し雨量の少ない地域にあるため河川の流量が少なく、たびたび干ばつの被害を受けてきました。このため、昔の人達はため池をつくるなど、農業に使う水を確保するためにたいへん苦労していました。 昭和の時代に入って、戦後の食糧難などもあり、永久的な用水対策を行う必要が出てきたことから、昭和32年から10年間かけて面河ダムや道前道後の両平野に水を送る施設を国(農林水産省)がつくりました。これらの施設のおかげで、道前道後両平野では水の心配をすることなく、安心して農業を営めるようになったのです。そして、現在は古くなった施設の改修と、新たな水需要に対応するため、東温市に佐古ダムを、西条市丹原町に志河川(しこがわ)ダムをつくり、より安定した農業が行えるようになっています。 ■2 水は山を越えて 虹の用水 面河ダムから道前道後の両平野に届けられる水は、いくつもの山並みをこえてやってくる水の連なりがまるで虹のようであることから、「虹の用水」と呼ばれています。 また、面河渓谷の水をひくにあたっては、それまで水を使っていた高知県の人々の協力がなれば実現しませんでした。つまり、虹の用水は「感謝の用水」でもあるのです。 ■3 南北分水工の概要 道後平野に導かれる水を二手に分ける南北分水工は、道後平野の南部と北部の水の使用量によって上の写真の(左側が南部、右側が北部に向かう水路)のように分水されています。 受益面積が広く、工業用水としても使われる北部用水のほうがより多くの水を流せるようになっています。 ■4 写真説明小文字文 南北分水工のゲート(水門)部分。水は奥から手前にながれています。3つのゲートのうち、左側の二つが通る水が北部幹線用水路へと運ばれます。このゲートの開け閉めによって、流す水の量を調整します。奥のスクリーンは、ゲートや水路にゴミが詰まらないようにするための装置です。 ■5 南北分水工平面図説明文 沈砂池 : 水に含まれる砂や泥を取り除くための施設です。 排泥ゲート : 沈砂池にたまった砂や泥を取り出す施設です。 取水ゲート : 南北それぞれの水路に流す水の量を調整する水門です。 と 説明されています。 ■6 注 (次ページ説明文は、このページの写真に合わせるため、原文の説明文の左右上下の表現を補正しています。) |